父の威厳
朝5時前、次男U希がニコニコしながら、寝ている自分の上に登ってくる。『きみは早起きなじいさんか。』と0歳児に愚痴ったところで仕方ない。しかしまた、えらく早い時間に起きてしまった。
『そうだ。カブトムシ採りに行こう。』
K悟が飼育していたオスのカブトムシが、先日残念ながら亡くなってしまった。その後任を捕まえに行くことにする。スーパーあたりで買えば簡単なんだろうが、それでは面白くない。野生のやつをゲットしこよう。
クルマに飛び乗り、とある公園に向かう。前回のオスも捕まえた場所だ。ここに4本ほどクヌギ?の木が生えていて、樹液を吸いにいろんな昆虫が集まっているスポットがある。そこを慎重に確認していく。グリーンメタリックなカナブンは捨てるほどいるが、肝心のカブトムシ(またはクワガタムシ)は見つからない。ちっ、空振りか。そう思いながら最後の1本を調べる。
・・・いた。大きなオスと小さなメスのカブトムシ発見。ちょっとした感動もんである。慎重に指で摘んで樹からはがし、持ってきたカゴに入れる。
『カブトムシ、ゲットだぜ。』
早朝、無人の公園に、三十男の叫びがこだまする。
家に帰り、起きてきた長男に大きなカブトムシを見せる。尊敬のまなざしで見つめる我が子。どうやら父の威厳を保つことができたようだ。